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痔核・脱肛 (いぼ痔)

簡単に言うと「肛門にできた静脈瘤」です。「イボ」のように見えることから「イボ痔」と呼ばれています。 痔核が外に出てくることを「脱肛」と言います。

【 痔核・脱肛 (いぼ痔)の対処法 】

まずは肛門科を受診して病状の確認を!

「痔核」と言えど、お一人お一人病態は様々です。 痔核のできている場所、大きさ、個数、痛み・出血・脱出の有無などで状況は違ってきます。 ご自分に合った対処法を知ることが大切です。同じ病気でも治療法は違うことだってあります。

また、一度できてしまった痔核は無くなりません。 どんなに高価な座薬や軟膏を使用しても痔核そのものを無くしたり、消滅させたりすることはできません。 ですから何も症状がなければ薬をだらだらと長期間使用し続けることはやめましょう。 根本的な治療にはならないからです。
痛み・出血・はれなどの症状がある時に限りお使いになると良いでしょう。 2週間程度使用しても効果がなければ中止し、専門医を受診されることをおすすめします。

»  「肛門科の選び方」について

【 痔核・脱肛 (いぼ痔)の詳しい説明 】

肛門周辺は血管が豊富で、網の目状に血管が集まっている部位があります。
その部分がふくらんで大きくなったものを痔核といい、本体は血管のかたまり、すなわち「静脈瘤」です。

おしりの穴の出口から約1.5pほど奥に直腸と肛門の境界があり、「歯状線」と呼ばれています。 この歯状線より奥の直腸側にできたものを「内痔核」、下の肛門側にできたものを「外痔核」と分類しています。

痔核が大きくなったり、痔核を支える組織が弱くなって、痔核が肛門の外に出てくる状態を「脱肛」と言い、 その程度によって次のように分類されています。

T度 (1度) : 脱出しない。出血することがあるが痛みはほとんどない。
U度 (2度) : いきむと脱出するが自然に戻る。出血や痛みはあったりする。
V度 (3度) : いきんだり、おなかに力をいれたりすると容易に脱出する。
手で戻さないと戻らない。
W度 (4度) : 常に脱出している。

これはあくまで「脱出の程度による分類」であって病気のつらさ・苦しさとは比例しません。
ですからW度(4度)でも全く痛みや出血などの症状がないケースもありますし、 逆にU度(2度)でも痛みや出血の症状がひどいケースもあります。

また、大きな痔核がたくさんあるが痛みや出血などは全くないケース、 小さな痔核が一つだけだが痛み・出血がひどいケース、大きな痔核が一つだけあって、 手で戻せば全く普段は症状がないケースなど、 「大きいからひどい」とか「たくさんあるから大変」ということでもないのです。同じ病名でも人によって様々です。

また内痔核、外痔核、内外痔核(混合痔核)と、痔核の存在部位や形態によっても対処法が違ってきます。 また、痔核が3つあって、そのうちの一つは内痔核のみ、一つは内外痔核、 もう一つは外痔核のみといったこともよくあり、患者さんの数だけ病態があると言っても良いでしょう。 ご自分の病態を知り、それに合った対処法・治療法をすることが大切です。

同じ病気であれば皆、治療は同じというわけではありません。 その見極めは専門医でなければ難しいかもしれません。

【 手術が必要なの? 】

極論を言えば痔核は切除しなければ無くなりません。
だからと言って何でもかんでも切除すればよいと言うわけではないのです。
小さな痔核を無理に手術して切除する必要もありませんし、 そのようなことをするとかえっておしりの調子が悪くなったりします。 そこで医学的に見て「手術適応」という目安があります。

医学的には脱肛のV度以上が手術適応の目安とされています。
でも、それはあくまで「医学的な目安」であって「患者さんの目安」ではない場合もあります。
大きくて立派な脱肛があっても、何もつらい症状がなく、ご本人も手術の必要性を感じておられないのであれば、 手術をせずに「痔核とうまく付き合う」という選択肢もあります。
逆にたいして大きくもない痔核でも、 痛みや出血がひどい場合には患者さん自身が根本的な手術治療を望まれる場合もあります。

ですから、医学的に手術が必要であっても、患者さん自身がその手術を必要としていなければする意味がなく、 手術をするかどうか決めるのは患者さん自身なのです。
私たちはそのように考え、患者さんのお気持ちを十分お聞きして、相談の上、治療方針を決定しています。

【 脱肛の手術について 】

手術方法から入院期間に至るまで、施設によって、あるいは医師によって違うと思います。 ここでは私が勤務している大阪肛門病院の入院手術についてお答えします。

● 入院期間

内痔核の進行した状態(脱肛)だと、入院期間は3日〜1週間です。
1泊入院でされる方もいらっしゃいます。とは言っても、お仕事の都合でもっと短い方もおられます。 1週間以上かかることはまずありません。
だいたいお仕事は、理想をいえば10日から2週間お休み頂けたら、随分楽だと思います。
退院された次の週は自宅でゆっくりなさって、体を徐々に慣らしていくよう指導しています。
それでも、痛くないので、退院された次の日から普通に仕事に行かれている方もいらっしゃるんですけど…。

● 手術方法

麻酔は腰椎麻酔(腰からの麻酔)です。
「痛い」「こわい」と思われている方もおられるのですが、点滴の針よりも細い針を使ってしますので、 ちょっとチクッとするくらいでそんなに痛くはありません。
下半身だけきくので、意識はあります。
手術中は楽しくおしゃべりしている人、いびきをかいて寝ている人、色々です。
手術時間は病状にもよるのですが、だいたい30分くらいです。
麻酔は2〜3時間効いていますので、手術中に痛がる人は一人もいらっしゃいません。
ご安心下さい。

● 術後は痛くない?

痛みのピークは手術当日、麻酔の切れる頃から明くる朝にかけてです。
ですから手術当日だけ痛み出す前に、麻酔をかけた時間から1時間おきに3回、痛み止めを飲んでもらったり、 注射をしたりします(先制鎮痛と言います)。
それでだいたいの方は痛むことなく、ぐっすりと眠っておられます。
次の日からは痛み止めはしていません。 入院中、痛み止めの薬を飲んでいる人はいませんので、そんなに痛くないと思います。
また傷口に特殊な痛み止めを注射しているので、排便のときもそんなに痛くありません。
なぜ痛くないのか詳しく知りたい方は「院だより1998年11月号」をご覧になって下さい。

● 退院後の通院

退院された次の週は、だいたい週2回くらい通院して頂いています。
それ以降は週に1回位の通院になります。

● 傷が完全に治るのはいつ?

人にもよりますが、手術してから1ヶ月前後です。
傷の治りの早い人、若い人だと3週間くらいで完治する場合が多いです。

● 外来手術、1泊入院もあります

内痔核(イボ痔)の出来ている位置によっては外来で結紮(けっさつ)療法など、 簡単な処置ですむ場合もあります。
また程度が軽ければ、1泊入院もあります。
さすがにこれは診察を受けられないとわかりません。
医師にお尋ね下さい。

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